断熱・通気



ブログ W地域の省エネ(最新の省エネ情報などを載せています)



居住スペースはやはり暖かいことが一番だと思います。
断熱性能は、開口部、気密、計画換気、壁体内結露対策と密接に絡んできます。
    (日射通風・すきま風と上下温度差解消・きれいな空気とストーブなどによる酸欠防止・構造躯体の腐朽防止耐久性)

最新の省エネ基準改正では、断熱性能の判断基準が、建物の「床面積に対して」から「表面積に対して
熱がどれだけ逃げるかという判断に変わりました。
同じ床面積でも複雑な形状の建物のほうが表面積が大きく、今までの計算方法だとばらつきがでるからだそうです。
また、単純に建物の断熱性能だけではなく、総合的な省エネ断熱性能での判断に移行しています。


建物の断熱基準の変遷
 断熱材のほとんど入っていない住宅  断熱なし、もしくは壁のみグラスウール50mm程度
 旧省エネ基準S55年          アルミ単板ガラス・グラスウール50mm程度
 新省エネ基準H4年           アルミ単板ガラス・グラスウール50・100mm程度
 次世代省エネ基準H11年       アルミペアガラス・グラスウール100mm程度
 省エネ等級4(長期優良など)     アルミ樹脂複合遮熱断熱LOW-Eペア・GW16K100mm・3種bスタイロ65mm程度
 省エネ等級4を超える仕様       断熱材を高性能に厚く(充填壁厚の問題)、サッシ性能をトリプルにするなど。
                       環境共生型、OM系の太陽熱のパッシブ利用で暖冷房補助・熱交換型など
 
 建物使用年数分の総冷暖房費・光熱費に対して、初期投資(坪単価)が高いものはどっちが得かなといった素朴な疑問が
 残りますが、断熱気密性能を上げることによって上下の温度差・結露カビの緩和、計画換気が可能になるなど、健康に良い
 面もたくさんあります。(繊維系の断熱材はものにもよりますが安価なため、費用対効果に優れています。)
 
 ある程度気密が良くなってすきま風がなくなると、換気経路を空気がきちんと通って汚れた空気を排出可能となり、
 断熱との相乗効果で上下の温度差が少なくなって吹き抜けやオープンな空間が、温熱環境面で快適にとりやすくなります。
 (注:気密と計画換気は一体で考慮して下さい。開放型燃焼機器を使用すると一酸化炭素中毒の危険があります。)
 
 極寒の地で「室内と屋外の温度差が60度もあるような場所」では、ものすごいエネルギー差で隙間をぬって水蒸気などが
 入り込み、あちこちに結露が起こるためそれ相応の厳密な施工が必要なようですが、W地区など温暖地域は、必要十分
 な施工レベルという意味では、当然極寒地域のそれより緩和されます。
 ※国でもあまりに度を超えた気密競争が意味なしという判断らしくH21.4月から気密性能の項目が削除されました。


建物の断熱損失の割合(栃木県廻りのW地域 ざっくりとした%)
 屋根天井   10  ※断熱強化で損失割合が減少
 外壁      20  ※断熱強化で損失割合が減少
 開口部     40  ※樹脂複合LOW-Eペアなどでバランス的に開口部損失割合が減少
 床        10  ※断熱強化で損失割合が減少
 換気      20  ※熱交換型で、損失割合が減少
   ※最も熱が逃げるのはサッシ・玄関ドアなどの開口部、以外に部屋の換気によって失われる熱量割合が多いです。
     北海道などの寒い地方は、換気による熱損失がかなり大きくなるそうです。(熱交換型換気システム)



断熱方法

充填断熱(内断熱)
柱・間柱の間に断熱材を入れる方法。外側に向かって湿気を開放するのがセオリー
透湿防水シートを貼って通気層を取り、その外側に外壁施工。
繊維系やセルロースファイバ・ウレタン系のものなど、充填する断熱材はいろいろあります。


外張り断熱
構造体を室内部と考えて柱の外側に断熱材を施工、透湿防水シートを貼って通気層。
外壁が柱面からかなり外側に来るため、留めビスの垂れ下がりによるトラブルや断熱厚が外壁荷重のため薄くしか
取れないことから、省エネブームから充填断熱壁体内結露対策の進化と共に、付加断熱に移行しているようです。
高性能なプラ系断熱材の値段も高価なため、建築費も充填系に比べるとUPします。


付加断熱(充填断熱+外張り・内張り断熱)
断熱材の厚みを上げるのに、柱の厚み105mm(3.5寸角)・120mm(4寸角)の制限があるため、HGW24Kなどの
断熱材を充填するのがぎりぎりでしたが、外張り断熱を付加して更に性能を上げたものです。


付加断熱は繊維系外張りにしたほうが良いと思う理由
外張りの発泡プラ系断熱材は透湿抵抗が高く壁内の湿気を排出しづらいため(ほんの少しは通すと思いますが)
一時あれほどGW充填断熱が壁内結露疑惑でバッシングを受けたのに、その外側にプラ系外張りはどうなんでしょうか。
透湿抵抗が低い外壁下地面材張りなど、外側に向かって湿気を開放するセオリーで施工を行ってきたのに、
その外側を再度プラ系断熱材で塞ぐということは何だか腑に落ちない面もあります。
(プラ系外張りでも、内側の防湿シートの透湿抵抗より低いものであれば問題ないそうです)
アルミフィルムの貼ってある遮熱パネルも全くと言っていいほど透湿しないと思うのですが(遮熱透湿防水シートは別)

そんな理由で、TIcTAC的には外張り付加断熱は透湿抵抗の小さいGWなどの繊維系断熱材の方が良いと思います。


壁体内結露はそんなに心配か?の本音的なはなし
温暖地の標準的な木造住宅では、壁体内結露の心配はそれほどでもないという理由も多々あります。

@室内側の防湿シート施工で内部に湿気が入らない
A24H換気で室内が負圧となり湿気が壁内に向かわない・逆に過乾燥がちになる
Bビニルクロス主流なので、そのものが防湿層代わりにもなる
C木材に調湿機能があるので結露を防ぐ・乾燥材標準化・気流止めなどの施工
D極寒地のように内外温度差が大きいわけではないので、室内水蒸気がピンホールからエネルギー差のために
  むりやり入って内部で凍結するなどという過酷なことは滅多におこらないそうです。
  万が一結露しても、排出機能が備わっているし調湿機能もあるので、腐朽などしないといっても過言ではない気がします。
  不安をあおっているというか、地域的な内外部温度差エネルギーの大小考慮が、何となく抜けている気がします。
 
※この辺では古い建物を解体しても、ほとんどクローズアップされる結露腐朽写真のようなことはないので、
  実はあれは、極寒の地の温度差エネルギー強大でがんがん結露する古い住宅の解体状態らしいです・・・。
 

ついでに耐震のこと
阪神大震災のあとの木造バッシングでは大変苦労しましたが、木造畑のTIcTACとしましては、
@100年近く経った古い店舗併用住宅で、道路側全面開口で耐力壁がない状態
A2階生活スペース&重い瓦葺き・粘土抑え(台風対策で屋根が重い)で、荷重が上部にかかっている
などの住宅に倒壊が多かったようですので、現在の標準的な木造住宅であれば倒壊の心配はありません。



断熱材種類

グラスウール 
ガラス繊維の断熱材 繊維の細い高性能GW・ペットボトル再生のものもあります。10K・16K・HGW16Kなど
なんといってもコストパフォーマンスが最高です。ガラスのため火災にも安心で有毒ガスもでないため現在はほとんど
GW中心です。

ロックウール
断熱性能はGWの10Kと16Kの間ぐらいらしいですが、40Kと重いので遮音補助材として結構好きです。
一時はメインで使っていましたが、石綿と混同されやすいのが災いしたせいか、最近は下火?です。

セルロースファイバ
新聞紙の砕いたようなものを丈夫な内張りシートの中にホースで充填します。価格が高いのがネック。
ぎゅうぎゅうに詰めた感じは隙間ができずに施工されていて暖かそうです。

ウールブレス
羊毛と繊維系断熱材の複合です。価格が高いです。調湿性能が羊毛にあるようです。
使用したことはありませんが、自然素材の一種として人気があるようです。

現場吹付発泡系(アイシネン・アクアフォーム他)
外壁下地パネルを貼ってから、柱間に吹き付け充填します。硬質よりも軟質のほうが振動変形に追従して気密が
保たれるので良いそうです。価格が高いのがネックです。
燃えた時にシアン化ガスが出ないタイプのものでないと火災の時に吸い込むと危険だそうです。
水で発泡するもの、充填ガスの種類などいろいろな製品があるようです。

ウレタン断熱一体型パネル系
スーパーウォールパネルや、FPパネルなど、柱間に断熱パネルとして設置するタイプのもの
工場製品のため断熱気密性能が高いものが多いようです。価格は高いです。

スタイロ系断熱材
基礎断熱・床断熱材などに良く使用します。耐水性が高いので土台敷・1床施工時の雨などにも対処可能です。
水に強く熱に弱い、フェノール系は200度まで耐熱。基礎断熱などはシロアリ対策必要(ホウ酸入りなど)。

スタイロ畳
床下のスタイロ系断熱材に、スタイロ畳の断熱性能をプラスすることが法の整備で正式にできるようになったそうです。
断熱材が芯になっているので「床下断熱+断熱畳」、より暖かいのは間違いありません。

木材
正式には断熱材ではないそうですが、やっぱり暖かいです。表面も暖かいのでひやっとしないし。


工事中

断熱・気密と通気工法(壁体内結露防止)・24時間換気システム

内外温度差とヒートブリッジによる壁体内結露
壁体内通気工法(床下換気・壁通気・小屋裏換気・屋根通気)
透湿防水シート 遮熱付透湿防水シート
24時間換気システム(第一種換気・第三種換気)
ロスナイ系(熱交換型局所換気)